メタバースとセカンドライフの違いとは?|二の舞にならない理由も解説

仮想空間メタバースが注目されてきたことで、昔流行した「セカンドライフ」も再度スポットを浴びています。
しかし、双方の違いがイマイチ分かりづらいという方は多いのではないでしょうか。
メタバースに興味はあるものの、「セカンドライフのように衰退してしまうのでは?」と考え、なかなか手が出せないという方も多いはず。
そういった不安を解消するためにも、双方の違いや共通点を理解しておきましょう。
この記事では、メタバースとセカンドライフの違いについて解説し、メタバースがセカンドライフの二の舞にならない理由などについても解説していきます。
・セカンドライフが注目された背景・衰退した理由
・メタバースとセカンドライフの違い
メタバースの先駆者「セカンドライフ」とは?
まず、メタバースの先駆者である「セカンドライフ」について理解しておきましょう。
セカンドライフは3Dグラフィックスを使用した仮想空間で、アクティビティやコミュニケーションを楽しむことができるソフトウェアを意味します。2003年に、アメリカのサンフランシスコに本社を置く「Linden Lab社」によってリリースされました。
セカンドライフ内では、現在のメタバースと同様にユーザーが自分好みにカスタマイズしたキャラクターを操作して行動できます。
アクティビティが実際の世界と連携している点がセカンドライフの特徴で、ユーザーは興味を持ったトピックやプロジェクトに参加でき、自分で開発したコンテンツの販売も可能です。
人気が出たのはリリースされてから少しあと
セカンドライフが人気を博したのは、2000年代後半から2010年代初頭にかけてです。リリースされたのが2003年ですから、徐々に広がっていったと言えますね。
その後は世界中で広く使われるようになり、ビジネスや教育、エンターテイメント、コミュニケーションなどの様々な用途で利用されるようになりました。
セカンドライフは現在も無料でプレイできる
セカンドライフのサービスは終了していると思われがちですが、そんなことはありません。2022年12月時点でも、セカンドライフは運営されています。
現在は、オンライン上にて、基本的に無料で体験可能です。興味のある方は、こちらのセカンドライフ公式HPから確認してみてください。
セカンドライフが注目された理由
セカンドライフが注目を集めた理由は、以下の4つです。
- 仮想空間を体験できたこと
- 仮想空間で仮想通貨を稼げたこと
- 不動産売買ができたこと
- 大手企業が参入していたこと
仮想空間を体験できたこと
第一に、「仮想空間を体験できた」という点が挙げられます。
2000年代初頭、セカンドライフのように仮想空間を体験できるようなソフトウェアは他にはありませんでした。そのため、国内だけでなく海外の方ともチャットでつながることができ、一躍注目を集めていったのです。
仮想空間で仮想通貨を稼げたこと
セカンドライフ内で仮想通貨を稼げた点も、注目を集めた要因でしょう。
セカンドライフの仮想空間では、「リンデンドル」と呼ばれる独自の仮想通貨が確立されました。仮想空間でリンデンドルを稼げますし、稼いだリンデンドルを使用すれば仮想空間での商品の売買や取引への利用が可能です。
また、それまでのゲームやソフトウェアとは異なり、入手した仮想通貨を現実世界に持ち帰り、換金できた点も斬新的な要素です。現在のように仮想通貨が世界に普及していない時代の話ですから、当時としては画期的な技術であったと言えるでしょう。
リンデンドルは米ドルとしか交換できないため、使い勝手はそこまで良くはありませんでしたが、こうした仮想通貨での取引システムを取り入れたことで高い評価を得ることになりました。
不動産売買ができたこと
セカンドライフでは、前述した「リンデンドル」を使用してセカンドライフ内の不動産売買が行われていました。
これは、現在のメタバース仮想空間内の土地に建築物を建て、お店をオープンしたりイベントを開催したりするのと同様です。
こうした不動産売買によって利益を得ることも、現在のメタバースの先駆けとなっています。


大手企業が参入していたこと
当時は多くの企業がセカンドライフのサービスに参入しており、その中には「マツダ」や「日産」など国内の大手企業も含まれていました。
こうした背景からセカンドライフは急成長し、注目を集めたのです。
セカンドライフの人気が衰退してしまった3つの理由
セカンドライフは現在のメタバースのように人気を博していたわけですが、ある時を境に衰退の一途を辿ることとなります。
この背景にはどんな理由があったのでしょうか。
一般的には、以下3つの理由が大きく関係していると考えられています。
- 通信環境が整っていなかった
- システム上コミュニティが広がりにくかった
- 操作が難しかった
それぞれの詳細は、以下の通りです。
通信環境が悪かった
まずは、当時のインターネット通信環境の問題です。
セカンドライフをプレイするには、ハイスペックPCと高速通信可能なインターネット環境が必要です。しかし、当時の通信速度は現在のインターネットと比べて遅く、セカンドライフをスムーズにプレイできるパソコンも、容易には入手できませんでした。
こうした利便性の低さが、利用者を拡大していくことに繋がらなかった大きな要因であると言われています。
システム上コミュニティが広がりにくかった
セカンドライフでは、一つのワールドの中に同時に入れるのは最大50人まででした。このようなシステム上の制限もあり、コミュニティが広がりにくかったと考えられています。
当時は同時刻に一斉にユーザーが集まるといったシステムも無く、ワールドに入ってもコミュニティとしては機能していませんでした。ソーシャル的な要素も薄かったことから、次第にユーザーが離れていってしまったのです。
操作が難しかった
セカンドライフのソフトウェアの設定は、ユーザー自身で行う必要がありました。設定が複雑だったことも、利用者が拡大していかなかった要因ではないかと言われています。
現在のようにネットで使い方などをすぐに検索できれば、多少は違っていたかもしれません。
何が違う?仮想空間「メタバース」と「セカンドライフ」の違い
同じ仮想空間である「メタバース」と「セカンドライフ」には、どのような違いがあるのでしょうか?
ここからは、両者の違いについて解説していきます。
「メタバース」と「セカンドライフ」の違いを表で比較
まず、いずれもインターネット上で提供される仮想世界であり、ユーザーが自分のアバターを操作して様々な活動ができるという点は、両者の共通点です。
しかし、セカンドライフとメタバースは、以下の点で異なる特徴を持っています。
メタバース | セカンドライフ | |
ブロックチェーンの使用 | ◯ | ✕ |
経済活動の自由度 | ◯ | △ |
同時接続可能な人数 | 多い | 少ない |
対応デバイス | PC・スマホ | Windowsのみ |
VRデバイスの対応 | ◯ | ✕ |
仮想通貨の使いやすさ | ◯ | △ |
アバターの使用 | ◯ | ◯ |
建築物の構築 | ◯ | ◯ |
土地の売買 | ◯ | ◯ |
共通点も多くありますが、メタバースの方が様々な点において利便性が増していますね。
セカンドライフでできることのほとんどはメタバースでも実現可能で、そのうえメタバースの方が自由度も高く利用しやすいことから、今後も利用者を拡大し成長を続けていくことが予想されます。
メタバースについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。


「メタバース」と「セカンドライフ」で大きく異なる3つの要因
メタバースとセカンドライフに違いが生まれた要因として、以下の3点があげられます。
- 通信環境が整備された
- ブロックチェーンが活用されている
- 仮想通貨の存在
通信環境が整備された
通信環境の整備は、非常に大きな要因です。前述したように、セカンドライフが流行し始めたばかりの頃は、今のように誰もがインターネットで高速通信ができるような時代ではありませんでした。
しかし、現在では5Gも普及しており、どこにいても簡単に仮想空間へのアクセスが可能です。一度に同時アクセス可能な人数も大きく上昇しています。
さらに、セカンドライフはWindowsにしか対応していませんでしたが、現在はパソコンやスマホなど様々なデバイスが普及しており、メタバースはそれらのデバイスに対応しています。
通信環境が充実し、多様なデバイスに対応したことから、誰でも手軽に利用できるようになりました。
ブロックチェーンが活用されている
ブロックチェーンの使用の有無も、大きな違いです。
メタバース空間はイーサリアムなどのブロックチェーン上に構築されていることが多く、セキュリティが強固です。そのため、信頼性の高いゲームやビジネスプラットフォームが構築されています。
一方、セカンドライフではブロックチェーンが使用されていません。そのため、様々な点においてメタバースに劣ってしまいます。
このように、ブロックチェーンが活用されているメタバースには、今後も大きな期待が寄せられているのです。


仮想通貨の存在
セカンドライフで使用されていた仮想通貨はリンデンドルのみですが、メタバースにおいては各プラットフォームで様々な独自通貨が発行されています。
仮想通貨は、世界に普及したことで以前よりもずっと使いやすくなっており、法定通貨への交換も簡単になりました。仮想通貨の利便性が向上している点は、メタバースの強みと言えるでしょう。


二の舞にならないためにメタバースはさらなる普及が重要
メタバースがセカンドライフのように衰退しないようにするには、これからも利用者を拡大し、普及し続けていくことが重要です。
セカンドライフの衰退理由を突き詰めると、究極的には「ユーザーが楽しめなかった」という点に尽きるでしょう。その二の舞を踏まないためにも、ユーザーが楽しめるようなコミュニティの形成や、使いやすさの追求はとても大切です。
現在は、以前よりも通信環境が整い、誰もが簡単にインターネットを利用できる時代になりました。さらにはVRデバイスも対応しており、よりリアリティのある仮想空間を体験することが可能です。
まだまだ課題は残っていますが、「ユーザーが楽しめる環境づくり」という基本を外れない限り、国や自治体、大手企業も続々と参入していることからも、今後もメタバースへの注目度は高まっていくと考えて良いでしょう。
メタバースの始め方
最後に、これからメタバースを始める方を対象に、必要なものなどをまとめます。
- 仮想通貨取引所の口座
- MetaMask(メタマスク)
- パソコン
- VRゴーグル・コントローラーなどの周辺機器
メタバースを始めるには仮想通貨が必要ですので、取引所の口座開設とウォレットの作成は欠かせません。加えて、快適にメタバースを楽しむなら、それなりのスペックのパソコンと周辺機器が必要となります。
メタバースを始めるための準備や始め方については、こちらの記事で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。


まとめ
セカンドライフとメタバースは、いずれもインターネット上で提供される仮想世界を意味します。仮想世界で自分のアバターを操作し、様々な活動を行う点も共通です。
メタバースとセカンドライフで大きく異なる点は、以下の3つです。
- 通信環境が整備された
- ブロックチェーンが活用されている
- 仮想通貨の存在
セカンドライフの衰退から様々な要因から得て進化したのが、仮想空間メタバースと言えるでしょう。
メタバースがセカンドライフの二の舞にならないためには、これからも利用者を拡大し普及していく必要があります。ただ、現在のインフラ状況を鑑みる限り、ユーザビリティを無視しない限り、今後も成長を続けていくと考えて良いでしょう。
メタバースもセカンドライフも無料で始められますので、ぜひ試してみてください。
【出典一覧】
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