仮想通貨・仮想通貨FX・為替FXの違いを比較｜おすすめはどれ？

仮想通貨・仮想通貨FX・為替FXといったトレードを始めようと考えている方にとって、それぞれどんな違いがあり、どれが自分に向いているのかを判断するのは、難しいですよね。

上記3つは混同されがちですが、それぞれ独自の特徴があり、投資対象やリスクも異なります。まずは、これらの違いを理解し、自分にとって最適な取り組み先を見つけることが重要です。

この記事では、仮想通貨・仮想通貨FX・為替FXの違いを比較し、それぞれの特徴やリスク、投資対象など解説します。

ぜひ、ご自身に合ったトレード先を見つける参考にしてください。

まず知っておきたい！仮想通貨・仮想通貨FX・為替FXとは

まずは、仮想通貨・仮想通貨FX・為替FXそれぞれの、基本的な知識について解説します。

仮想通貨（現物取引）とは

仮想通貨とは、分散型のデータベースシステムであるブロックチェーン技術を活用して発行・管理される「デジタル通貨」を意味します。データの改ざんが困難で、セキュリティが高い点が特徴です。

仮想通貨はインターネット上でやり取りが可能で、代表的なものには「ビットコイン（BTC）」「イーサリアム（ETH）」「リップル（XRP）」などがあります。

これらの仮想通貨は直接購入・売却が可能で、このような売買は「現物取引」と呼ばれます。仮想通貨の現物取引は一般的に仮想通貨取引所で行われ、保有する仮想通貨はデジタルウォレットに保管されます。

仮想通貨FXとは

仮想通貨FXとは、「ビットコインなどの仮想通貨を活用した証拠金取引」です。証拠金取引とは、一部の金額を担保として「買い」または「売り」で保有し、そのポジションを決済した時点での価格変動により生じる差額が利益もしくは損失となる取引のことです。

通常の為替FXは法定通貨が取引対象ですが、対象が仮想通貨になったものが仮想通貨FXです。

仮想通貨FXは証拠金に「レバレッジ」をかけられるため、証拠金以上の額で取引可能となります。これにより、少ない資金で大きな利益を狙えますが、一方でリスクも大きくなるため注意が必要です。

また、仮想通貨の中でもメジャーなビットコインが取引対象になった場合は、ビットコインFXとも呼ばれます。

為替FX（外国為替証拠金取引）とは

為替FX（外国為替証拠金取引）とは、外国の通貨を対象とした証拠金取引のことです。通貨の価格変動を予想し、その価格差から利益を得ます。

仮想通貨FXと同様にレバレッジをかけることで手元の資金以上の大きな取引が可能ですが、利益が大きくなる一方でリスクも大きくなる点も同様です。

仮想通貨（現物）と仮想通貨FXの6つの違いを比較

続いては、混同されやすい以下2つの組み合わせについて、両者の違いを比較しながら解説します。

• 仮想通貨（現物）と仮想通貨FX
• 仮想通貨FXと為替FX

まずは、仮想通貨（現物）と仮想通貨FXの違いからです。

	仮想通貨（現物取引）	仮想通貨FX
取引対象	仮想通貨（BTC・ETHなど）	仮想通貨の価格変動
レバレッジ	なし	あり
取引時間	24時間365日	24時間365日
価格変動	大きい	大きい
手数料	あり	あり
売りから始められる	なし	あり
ロスカットになる	なし	あり
税率	最大45％の総合課税	最大45％の総合課税

大きな違いは、以下の6点。

• 取引性質の違い
• レバレッジの有無
• 手数料の違い
• 売り（ショート）から始められる違い
• リスクの大きさ
• 自動的に決済（強制ロスカット）が発生するか

それぞれの詳細は、以下の通りです。

取引性質の違い

仮想通貨（現物取引）と仮想通貨FXとでは、「取引の性質」自体が異なります。

現物取引の場合は仮想通貨を直接売買するため、購入した仮想通貨は実際に口座に保有されます。

一方、仮想通貨FXの場合は実際に仮想通貨の現物は保有しません。「買い」ポジションを持った場合は見かけ上のポジションを保有しますが、これは「後ほど売ることを前提に仮想通貨を買う権利を得ている」という状態です。そのため、仮想通貨FXなら「売り」からポジションを取ることもできます。

どちらも仮想通貨の価格変動によって利益もしくは損失が生じる点は同様ですが、このように取引の性質は大きく異なります。

レバレッジの有無

現物取引の場合は仮想通貨と法定通貨、仮想通貨と仮想通貨を「交換」しているだけのため、レバレッジはかけられません。

一方、仮想通貨FXではレバレッジをかけた取引が可能です。レバレッジとは、自分の預けた証拠金以上の取引が行える仕組みのことで、少額の資金でも大きな利益を得ることが可能になります。

例えば、10万円の資金がある場合、現物取引ではその10万円分のビットコインしか購入できません。しかし、仮想通貨FXであれば、同じ10万円の資金に2倍のレバレッジをかけて20万円相当の取引が可能になります。

つまり、レバレッジを活用することで資金効率が高まり、それに応じて得られる利益も大きくなる可能性があるということです。ただし、同時に損失のリスクも高まりますので、その点は頭に入れておきましょう。

手数料の違い

現物取引では、売買時のみ取引手数料が発生します。手数料の割合は取引所により異なりますが、一部の国内取引所（GMOコイン・DMM Bitcoinなど）では手数料が無料になっています。（DMM BitcoinはBitMatch取引手数料を除く）

一方、仮想通貨FXにおいては以下の手数料が発生します。

手数料の種類	特徴
取引による手数料	ポジションを開く際と決済時の2回発生
レバレッジ手数料	日をまたいでポジションを保有する際に発生
スプレッド	買値と売値の差額で実質の手数料
資金調達手数料	価格乖離を収束させるためのスワップ手数料

これらの手数料は、使用する取引所やその取引所が国内か海外かにより変わります。

取引を行う際には、これらの手数料が発生することを考慮したうえで戦略を立てることが重要です。

売り（ショート）から始められる違い

現物取引は、実際の仮想通貨をやり取りする取引です。そのため、持っていない仮想通貨を売ることはできません。

一方、仮想通貨FXであれば、前述した様に売り（ショート）から始めることが可能です。そのため、下落局面時においても利益を狙えます。

リスクの大きさ

価格が大きく変動するのが仮想通貨の大きな特徴であり、大暴落や大暴騰も珍しくありません。そのため、現物取引であっても一定のリスクは存在します。

一方、仮想通貨FXは資金に対してレバレッジをかけられるため、その分だけリスクが増大します。ロスカットされる可能性もあるため、初心者の方は現物取引から始めるのがおすすめです。

自動的に決済（強制ロスカット）が発生するか

現物取引の場合は、保有している仮想通貨の価格が大きく下落してもロスカットとなることはありません。ロスカットとは、保有するポジションを強制的に解消することで、さらなる損失を防ぐシステムです。

たとえば、購入した仮想通貨の価格が下落しても、マイナスになることはないため上昇を待って持ち続けることが可能です。

一方、仮想通貨FXの場合はレバレッジをかけた取引となるため、自分が持ったポジションと逆方向に値が進んだ場合、証拠金が一定額を下回ると強制ロスカットとなります。

強制ロスカットは大きな損失を防ぐために必要なシステムですが、発動されるとその時点で損失が確定します。仮想通貨FXを行う場合は、資金管理には注意しましょう。

仮想通貨FXと為替FXの5つの違いを比較

続いて、混同されがちな仮想通貨FXと為替FXの違いを比較します。

	仮想通貨FX	為替FX
取引対象	仮想通貨の価格変動	法定通貨などの価格変動
レバレッジ	あり（国内は2倍まで）	あり（国内は25倍まで）
取引時間	24時間365日	週5日24時間（土日祝は取引停止）
価格変動	大きい	比較的小さい
手数料	あり	あり
売りから始められる	あり	あり
ロスカットになる	あり	あり
税率	最大45％の総合課税	20％の申告分離課税

どちらも証拠金取引という点は同様ですが、以下のような違いがあります。

• 取引対象の違い
• レバレッジの違い
• 取引時間の違い
• 価格のボラティリティの違い
• 税金の違い

取引対象の違い

仮想通貨FXの取引対象は仮想通貨で、ビットコイン（BTC）やイーサリアム（ETH）など様々な仮想通貨の取引が可能です。

一方、為替FXの取引対象は法定通貨のペアです。ドル円やユーロドルのような通貨ペアが取引対象となります。

このように、同じFXでも取引対象が大きく異なることを理解しておきましょう。

レバレッジの違い

仮想通貨FXと為替FXは、取引に使用できるレバレッジの上限にも違いがあります。

	仮想通貨FX	為替FX
国内のレバレッジ上限	2倍	25倍

上記の数字はいずれも国内証券会社・国内取引所を利用する場合のレバレッジ上限ですが、為替FXの方が大きなレバレッジをかけた取引が可能です。

ちなみに、仮想通貨FXや為替FXは海外証券会社・海外取引所でも取引可能で、海外の方がより高いレバレッジで取引が行なえます。一部の取引所では、仮想通貨FXは100倍以上のレバレッジ、為替FXにおいて1000倍以上のレバレッジでの取引も可能です。

ただし、レバレッジを高く設定すると、大きな利益を得るチャンスがある一方で資金を全て失ってしまうリスクも高まります。レバレッジ取引をする場合は、取引におけるリスク管理が重要です。

取引時間の違い

仮想通貨FXと為替FXは、取引時間に大きな違いがあります。仮想通貨FXは24時間365日取引が可能で、休日や深夜でも市場は開いています。基本的にマーケットがクローズすることはありません。

一方、為替FXの取引時間は、主要な金融市場の営業時間に準じます。多くの証券会社で、夏時間期間中は月曜日の午前6時から土曜日の午前5時まで、冬時間期間中は月曜日の午前7時から土曜日の午前6時までが取引時間です。また、週末は市場がクローズしていますが、祝日も取引できます。

仮想通貨FX・為替FXのいずれも、ロンドン市場・ニューヨーク市場の営業時間中が重なる「日本時間19時～深夜2時ごろ」に大きな価格変動が発生する可能性が高いです。短期売買を行いたい方は、この時間帯を積極的に狙っていきましょう。

価格変動の違い

仮想通貨FXと為替FXは、価格変動の激しさ（ボラティリティ）にも違いがあります。

仮想通貨の市場規模はまだ小さいため、価格変動が非常に大きいです。過去には、一日に10％、大きいときで20％を超える値動きをしたこともあります。

これに対し、為替FXの価格変動は比較的小さく、1日の価格変動率は数％以下が一般的です。

ただし、国際的な政治経済の動向や経済指標の発表などにより、価格変動が大きくなることもあります。最近では、米国の金融政策発表などの際には大きな価格変動が生じることがあるため、注意が必要です。

税金の違い

仮想通貨FXと為替FXはいずれも20万円以上の取引利益が発生した際に、課税対象となります。仮想通貨の現物取引においても同様です。

ただし、仮想通貨FXにおける利益は「総合課税」となり、売却益に対して最大55％（最大45％の総合課税＋住民税10％）の税金が課せられます。

一方、為替FXの利益は「分離課税」のため、利益の額に関わらず20.315％（所得税15.315％＋住民税5％）の税率で課税されます。また、為替FXの取引損失については、3年間の繰越控除が可能です。

仮想通貨FXと為替FXの税率の違いについては、こちらの記事で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。

現物取引・仮想通貨FX・為替FXならどれがおすすめ？

ここからは、現物取引・仮想通貨FX・為替FXのどれを選べば良いか？という点を解説します。それぞれ、どんなタイプにおすすめなのかをまとめていますので、参考にしてください。

	仮想通貨（現物取引）	仮想通貨FX	為替FX
取引対象	仮想通貨（BTC・ETHなど）	仮想通貨の価格変動	法定通貨などの価格変動
レバレッジ	なし	あり（国内は2倍まで）	あり（国内は25倍まで）
取引時間	24時間365日	24時間365日	週5日24時間（土日祝は取引停止）
価格変動	大きい	大きい	比較的小さい
手数料	あり	あり	あり
売りから始められる	なし	あり	あり
ロスカットになる	なし	あり	あり
税率	最大45％の総合課税	最大45％の総合課税	20％の申告分離課税

仮想通貨（現物取引）はこんな方におすすめ

仮想通貨（現物取引）は、実際に「仮想通貨を保有して長期的な価格上昇を待ちたい」方におすすめです。

短期の価格変動に左右されず気長に上昇を待ちたい方、仮想通貨投資に初めて挑戦する方に特に適しています。

以下の記事で紹介しているすべての取引所で、現物取引が可能です。まだ取引所の口座を解説していない方は、ぜひ参考にしてください。

仮想通貨FXはこんな方におすすめ

仮想通貨FXは、「短期間で仮想通貨の価格変動を利用して利益を出したい」方におすすめです。証拠金にレバレッジをかけることで、少ない資金でも大きな取引が可能となります。

ただし、レバレッジを用いると高いリターンの可能性と同時にリスクも増大します。仮想通貨は価格変動が激しい通貨ですので、仮想通貨FXで取引する際には、十分なリスク対策が必要です。

仮想通貨FXに対応している取引所

仮想通貨FXに対応している代表的な国内取引所としては、以下の4つが挙げられます。

• GMOコイン
• 【PR】DMM Bitcoin
• bitFlyer
• LINE BITMAX（ショートのみ）

各取引所の特徴や詳細は、こちらの記事を参照ください。

為替FX（外国為替証拠金取引）はこんな方におすすめ

為替FXは、「法定通貨の価格変動を利用して利益を出したい」方におすすめです。

為替FXも仮想通貨FX同様にレバレッジをかけた取引が可能ですが、為替FXの方がより高いレバレッジをかけられます。

さらに、税率が20％の申告分離課税となるため、現物取引や仮想通貨FXと比べて税制上のメリットがある点も特徴です。

ただし、高いレバレッジをかけることでリスクも増大するため、十分なリスク管理が求められます。

GMOコインなら為替FXの取引もできる

国内の仮想通貨取引所「GMOコイン」は、現物取引・仮想通貨FXだけでなく、国内で唯一為替FXの取引もできる取引所です。

取扱通貨	22種類
販売所手数料	無料
取引所手数料	・Maker：-0.01％ ・Taker：0.05％
日本円の入金手数料	無料
日本円の出金手数料	・2000万円未満：無料 ・2000万円以上：400円
仮想通貨の入金手数料	無料
仮想通貨の送金手数料	無料
最大レバレッジ	2倍
アプリ対応	あり（iOS・Android）
運営実績	2016年〜
公式HP	https://coin.z.com/jp/

GMOコインは、東証一部上場企業GMOインターネットグループが運営しており、各種手数料が無料など利用しやすい特徴があります。

仮想通貨と併せて為替FXも行いたい方には特におすすめですので、ぜひ試してみてください。口座開設は無料で、お得なキャンペーンも随時開催されています。

まとめ

この記事では、現物取引・仮想通貨FX・為替FXの違いについて解説しました。

	仮想通貨（現物取引）	仮想通貨FX	為替FX
取引対象	仮想通貨（BTC・ETHなど）	仮想通貨の価格変動	法定通貨などの価格変動
レバレッジ	なし	あり（国内は2倍まで）	あり（国内は25倍まで）
取引時間	24時間365日	24時間365日	週5日24時間（土日祝は取引停止）
価格変動	大きい	大きい	比較的小さい
手数料	あり	あり	あり
売りから始められる	なし	あり	あり
ロスカットになる	なし	あり	あり
税率	最大45％の総合課税	最大45％の総合課税	20％の申告分離課税

それぞれ異なる特性を持っており、どれが最適かは、投資目的やリスク許容度、投資期間などにより異なります。

3つの違いを理解したうえで、ご自身のトレードスタイルや目的に最適なトレード先を選んでください。