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2011年08月26日

英ゲームメディア「Pocketgamer.biz」にて副社長 渡邉幹雄のインタビューが掲載!

イギリスの大手ゲームメディア「Pocketgamer.biz」にて、当社代表取締役副社長兼COO(記事掲載時取締役COO) 渡邉幹雄のインタビューが掲載されました。
インタビュー掲載記事は下記URLからご覧になれます。(全文英語となります。)
http://www.pocketgamer.biz/r/PG.Biz/Cave+news/news.asp?c=32570

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― CAVE社はモバイルゲームをいつから開発することになりましたか?元々事業を展開するきっかけというのは何でしたか?

株式会社ケイブ 代表取締役副社長兼COO 渡邉幹雄(以下渡邉):ケイブのモバイル事業の成り立ちから説明しましょう。ケイブのモバイル事業は1998年に日本の通信キャリアNTTが、日本でモバイルインターネットサービスを始めた際、同時に始めました。このときはWEBで簡単な占いサービスを提供していましたが、毎月数千万円売上がありました。

その後、JAVAでアプリが動くようになりケイブのシューティングゲームの移植をはじめ、シューティング、RPGや、アクションなど様々なオリジナルのゲームの開発を開始しました。iPhone/iPod touchで提供している「虫姫様 BUG PANIC」の原型となるオリジナルのゲームもJAVAアプリで提供しております。なので、モバイルにおけるゲームノウハウについてはかなり以前より持っていました。

―iOSに御社の弾幕シューティングをリリースした際、欧米における熱烈な歓迎に驚かれましたか?

渡邉:非常に驚きました。一部熱心なファンがいることはインターネットや、時々会社に訪れるフランス人のファンがいることで知ってはいました。しかし、日本でも非常にコアな人たちが遊んでいるゲームを、欧米の皆さんが歓迎してくれたことについてとてもうれしく思っています。ありがとうございます。

―コア向けのアーケードゲーム開発会社として会社の経歴から考えて、GREEやMobage向けのソーシャル・ モバイルゲームを開発することは、これまでと大きく違うアプローチになりましたか?

渡邉:大きく違いました。それはビジネスモデルの変化と、どのようなゲーム体験を提供するか、という2点です。まず、欧米の皆さんに知っていただきたいこととして、ケイブはアーケードゲームも作っていますが、PC向けのMMO、XBOX、DS、モバイルサービスなど、常に新しい市場に対して挑戦的なゲームメーカーです。

また、最近ではケイブの人気ソーシャルゲームのIPをライセンスする事業や、ゲーム内広告販売事業、PCブラウザ向けゲームの開発なども行っています。

市場や提供手法が変わることでゲームの作り方を変える苦しみは我々も体験しました。例えば、アーケードゲームから、家庭用ゲーム。家庭用ゲームから、PCオンラインゲーム。携帯ゲーム機から、スマートフォンなどのようにです。従来のように流通業者が一括で在庫を買ってくれるのではなく、あくまでユーザーが楽しんでくれないと我々に収入が入ってこない事業モデル”Free to Play”に対して、どのようにすればよいのか全く分かりませんでした。

私たちは、先行するFacebookのアプリケーションを研究しました。結果、カジュアルゲームユーザーは、ゲームクリエイターの考える楽しさとは異なるものをゲームに要求していることがわかりました。従来のゲームはゲームクリエイターが用意した難問に、ユーザーが時間と手間を惜しまず、全力で取り組む”戦い”でした。危機に対してのスリルにユーザーは興奮し、快感を感じました。

しかし、カジュアルゲームユーザーが求めるものはエキサイティングなスリルと興奮ではなく、”心地よいサービス”であることがわかりました。

・小さくても店員の気配りの利いた一日中でも居たくなるようなカフェ

・そこに出てくる毎朝食べても飽きない、香ばしいトーストとコーヒー

・ダイエットを気にしながら思わず買ってしまうお気に入りのケーキ

・同僚よりもちょっとだけ高級なマウスとキーボードを使う優越感

というようなサービスや優越感を受けた時に感じる心地よさをゲームでいかに提供するか。

また、その心地よさを継続、向上させるために、”お客様”から代金を頂くものであると考えました。要するにゲーム販売業から、サービス業に発想を切り替える必要がありました。これはこれまでのゲームデバイスの変化以上のものでした。

― 「しろつく」の企画がどのように生まれたか教えて頂けますか?

渡邉:もともとは、JAVAアプリケーションだけでしかゲームを作っていなかったチームに対して、WEBとFLASHで楽しめるモバイルゲームを作るように指示を出したところから始まります。その理由はJAVAアプリケーションは表現力には優れていましたが、開発コストが高く、動作する端末も限られるため収益がよくなかったためです。

一方で、WEB+FLASHであれば、ほぼすべての3G端末で動作しましたし、他社のモバイルコンテンツメーカーは、WEBとFLASHで構成されたシミュレーションゲームで1ヶ月に数千万円の収益を上げていることを聞いていましたのでチャレンジしようと考えました。

そのころ、Mobageのプラットホームに向けてサードパーティーを募集を開始したのを聞いて、その企画をMobage向けに提供することを決めました。

判断の一番の理由は広告費です。何もユーザーを持っていない会社が一からユーザーを集めるには何億円もの広告費が必要ですが、Mobageにゲームを提供すればその広告費をかけずに数十万人にゲームを遊んでもらえます。売り上げの約半分をMobageに支払っても、十分に収益がでると考えました。

そして、ソーシャルゲームの特徴を考えた結果、長期間、ストレスを感じずに、ゆっくり遊べるゲームをコンセプトに企画を開始しました。

担当したのは、シミュレーションゲームとカードゲームが好きなプランナーで、日本では親しみやすい16世紀~17世紀の戦争時代をテーマにした箱庭ゲームが生まれました。「しろつく」とは、「城を作ろう」という日本語を略したことばです。

― EAと一緒にGREE向けにゲームを出すことになった きっかけは何でしたか?

渡邉:これは私にとってとてもハッピーな提携でした。しろつくの成功が見えてきたころ、次の箱庭ゲームをつくるなら「シムシティ」をやりたいと考えていました。私も子供のころスーパーファミコンの「シムシティ」の大ファンでした。

そう考えていたらケイブにEA JAPANからメールが来て、「ソーシャルゲームを作りたい」と、連絡があったので、非常に驚きました。あとは、とにかく「シムシティ」を作りたいとお願いして、提携に至りました。(お互いに非常にタフな交渉でしたが……)

― CAVEは出資を含めたGREEとの業務提携を結ばれたばかりです。 CAVEがGREEとの親密な関係を作ろうと思ったきっかけを教えて下さい。

渡邉:ケイブはグローバル市場にコンテンツを提供して成長したいと考えています。日本では欧米と異なり、プラットホーマーも自分たちでゲームアプリケーションを作っています。ですので、サードパーティーはプラットホーマーには勝つことができません。(例外もありますが)

また、日本の市場は成長性がないため、盛り上がったビジネスは数年で成長が止まってしまいます。これはモバイルソーシャルゲームの市場も例外ではありません。日本の市場はすでに成長が止まっており、スマートフォンへの移行も合わせて進むため、従来型の携帯電話で成功したプラットホーマーはスマートフォン対応と海外展開を進める必要があります。ケイブもビジネスをする上では、スマートフォン、海外展開を進めなくてはなりません。しかしケイブ1社の力はそれほど大きくはなく、莫大な投資も必要です。

また、プラットホーマーは自分たちだけで任天堂やソニーのようなラインナップをそろえるのは難しいですし、プラットフォーマーに負けたくないという気持ちを持っています。スマートフォンで欧米に認知度があり、ソーシャルゲームでも成果を出しているゲーム会社に資本参加し、一緒に海外進出をしたいという戦略があったようです。すでにケイブはGREEにゲームを提供していましたので、そこで、両者の経営陣が話し合いの機会を持ち、今回の提携を結ぶことになりました。

― 2011年後半、日本の事業と海外向けの事業はそれぞれどのように展開して行きますか?

■スマートフォン事業(海外)について

渡邉:まず、iOS向けにはこれまで通り、STGを提供していきます。しかし、まだマニアにしか認知されていないという課題もあります。ビジネスとしてはもっとカジュアルなユーザーにも遊んでもらう必要があると考えています。従来の楽しさより多くの人に知ってもらえるように、価格や提供方法を工夫したいと考えています。

またAndoroid対応に関しても研究を進めています。ご存じのとおり、Andoroidは画面サイズやCPU、メモリの問題で我々のゲームを提供するにはiOSよりも困難です。しかしケイブのエンジニアの努力により、もうすぐ皆さんに良いお知らせができるものと考えています。

また、ソーシャルゲームも提供します。これは日本で提供している「しろつく」を世界市場に対応させたものになります。欧米でも「サムライ」「ニンジャ」などは人気があると聞いています。STGと同じように欧米の皆さんに楽しんでもらえるかどうかチャレンジになりますが、喜んでもらえるよう開発を進めています。

■日本国内について

渡邉:国内ではGREEと提携したことで、スマートフォン対応のソーシャルゲームや、従来のSTGをグリープラットホームに提供していきます。これは、ケイブのSTGで遊んだことが無いユーザーにも遊んでもらえる大きなチャンスだと考えています。

■XBOX事業(海外)について

渡邉:これまでもアメリカのパブリッシャーなどを通じてデススマイルズなどを提供してきましたが、今後も海外パートナーと相談しながらタイトルを提供していきたいと考えています。また8月の株主総会でケイブの英文社名を”CAVE Interactive CO.,LTD”に変更します。欧米の方からすれば、ケイブの名前は「洞窟?どこのダイビングスポットだい?」と聞かれてしまうので(笑)わかりやすい名前にしました。今後は海外に向けても戦略的にゲームを提供していきたいと考えています。ソーシャルゲーム事業も成長させますが、コアなゲームファン向けにもこれまで以上にゲームを提供していきたいと考えています。

■日本国内について

渡邉:残念ながら日本国内のXBOX市場はPS3と比較すると約30%のサイズで、一部のコアゲームが1タイトル2~3万本程度売れている状況です。しかしシューティングゲームとノベルゲームについては一定のファンがいますので、引き続きサポートしていきたいと考えています。

■アーケードゲーム(日本国内)

渡邉:残念ながらこれはすでにビジネスとしては成り立っていません。しかし、ゲームセンターにゲームを置くのは、ケイブのシューティングのマーケティングや宣伝には非常に効果的な手法だと考えていますので、今後も引き続き開発をしていきます。

欧米のアーケードゲームファンの皆さん!今後、発売するアーケード基板を通信販売するときにはぜひ買ってください!大体500枚くらい売れるとシューティングゲームの新作が作れます。

―今後CAVEからはライト層向けソーシャルゲームと、コア層向けゲームの両方のアプローチを期待して宜しいでしょうか。それとも今後カジュアルゲームがCAVEの主力事業となりますか?

渡邉: これまでケイブを応援してきてくれたファンは絶対に裏切りません!日本でもケイブがコアゲームから撤退するといううわさが流れてしまい、取り消すのに大変苦労をしました。それだけファンに支持されていることには大変感謝しています。コア向けゲームもどんどん作っていきます(買ってください。)また、スピーディーに市場が拡大するソーシャル、ライトゲームも作ります。

規模は年商30億円と、大手ゲームメーカーと比べると小さいですが、ケイブは総合エンターテインメントゲームメーカーとしてこれからも皆さんの期待に応えていきたいと考えています。

海外の皆さんにお願いです。ケイブのホームページも英語対応しました。また、TwitterやUstream、Facebookで英語圏のファンをサポートしています。是非、参加してコメントをください。英語を読めるスタッフが書き込みをいつも見てケイブのクリエイターに伝えています。

もし、皆さんが日本に来られることがあれば、是非Twitterで教えてください。ケイブのスタッフに時間があれば会社をご案内しますよ。

ありがとうございました。
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