ゲーム愛が
溢れすぎている杭

ゲーム愛が 溢れすぎている杭

1994年入社 執行役員/部長 T.I

PROFILE

ケイブ創立メンバーでありケイブSTGの生みの親。
責任者でありながら、現場でゲーム、サービス作りに勤しむクリエイター。

新卒入社した会社が倒産、再スタートするもアーケードゲームは右肩下がりに

ー T.Iさんはケイブ創設メンバーのお一人ということで、
まずはこの会社の立ち上がりの頃のお話をお聞かせください。

ケイブの前身は東亜プランという主にゲームセンター用のシューテイングゲームを作っている会社でした。私はそこに新卒で入社したのですが、三年後に倒産してしまいまして、その時のメンバーが集まって設立したのがケイブです。

最初は業務用のアーケードゲームを作るところからスタートし、10人ほどでマンションの一室で細々とやっていました。家庭用ゲーム機が普及する中、かつては業界の中で花形コンテンツだったアーケードゲームもプレイ人口がどんどん減っていた時代です。しかもゲームセンターでは音ゲーや格闘ゲームが台頭してきて、ケイブが得意とするシューティングゲームは苦しい戦いになりつつありました。この頃はかなり大変でしたね。

ー 会社を設立していきなり窮地に立たされてしまうとは!
どうやって乗り越えてこられたのですか?

当初は受託開発中心だったのですが受託自体が減ってしまい、全て自社での開発に踏み切るかどうかという流れになったんです。自社開発とは全てのリスクを自ら背負うということ。開発期間は短縮され、チームメンバーも少なくなり、コストも絶対厳守という厳しい条件の中で、アーケード開発を続ける上で絶対にはずすことが許されないミッションでした。この厳しい条件下で、それでもやるのかをメンバーととことん話し合い、挑戦することを決めました。

ー 聞いているだけでドキドキしますね。
結果はどうなったのですか?

自社開発一発目の結果次第でその後も作り続けるかどうかの判断が下されるということだったので、ものすごい緊迫感でしたが、当時そんな私たちに期待してくれたユーザーさんたちがたくさん遊んでくれたこともあって、幸いなことに予想以上に売りあげることができました。

予備校近くのゲーセンに入り浸り、
大学受験に失敗したことから道が開けた

ー ほっ。売れてよかった!
なんだかドキュメンタリー番組のような熱いお話!
ところで、T.Iさんはなぜゲーム会社で働き始めたんですか?

高校生の頃、受験のために高田馬場の予備校に通っていたのですが、高田馬場ってものすごくたくさんゲームセンターがあるんですよ。その誘惑に負けてゲームセンターに入り浸ってしまい、結果的に浪人しました(笑)。でも、そうやってゲームをやり込んでいるうちに、「こんなすごいゲームはどうやったら作れるんだろう」と考えるようになったんです。
浪人しても結局大学には受からなかったんですが、「いつかゲームを作る側になりたい」という夢はずっと持っていました。そこで一念発起し、少しでもゲームを作る夢に近づこうと情報処理系の専門学校に進むことにしました。

ー ゲーム会社に就職するには、
そういう専門学校に行くのが王道なんですか?

ゲーム会社に就職する方法なんて、正直ぜんぜん分からなかったんですよ。でも、情報処理系の専門学校にでも行っておけば、ちょっとくらいは可能性あるかな…と思ったんです。入ってみたら、そこで学べることはゲームとはほとんど関係なかったですけど(笑)。

でも、就職活動をする時期になったら、ゲーム会社からも一応求人が来ていて。そこから念願の東亜プランに就職できました。大学受験には失敗しましたが、人生って何が功を奏するかわからないものですね。

自分たちが考え抜いた面白さが
ユーザーさんに伝わることが最大の喜び

ー 長年ゲームの開発に携わってきたT.Iさんですが、
この仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?

自分たちが開発したゲームが、多くの人にプレイされているのを見た時ですね。僕たちが想定した面白さをユーザーさんも感じてくれた時に、いちばん喜びを感じます。

ー ゲームを作るためのアイデアはどこから出てくるのですか?

アーケードの頃はゲーセンに行って他のゲームを見たり、プレイしている人を観察したり声を聞いたりということですかね。昔、SNSが無かった時代はゲーセンに置いてあるコミュニケーションノートをよくチェックしていました。そこにはゲームの感想などが自由に書き込まれていて、情報交換のツールになっていましたし。

ー 最後に「徹底的に、ナナメウエを行く。」というケイブのコアバリューを、どう捉えていますか?

予定調和にならず、予想を良い意味で裏切っていく。かつ結果も上回っていくというところですね。ユーザーさんからの「え!?!?そっちなの?でもそれはそれでありだよね!」という声が聞きたい。次はどんなワクワクを提供してくれるんだろう?と思ってもらえると嬉しいですね。

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