”大往生”したなどと誰が決めたのか。
ルナポリスでの大規模な戦闘行為が終結して、
6年後のある日、月の首領蜂隊本部は時空の微細な乱れを感知する。
時空間を移動するジャンプゲートが作動する際に発生する、些細な時空間の乱れ。
だがその、ほんの微細な時空の乱れに隠れる違和感に
気付かない大佐ではなかった。
その違和感を辿る事は困難を極めたが、
何者かが過去に大量に沢山の物資を送っていた事を突き止める。
…そのものは膨大なデータの海の中に残っていた、
始めはウィルスのようなわずかなプログラムだったモノ。
時間をかけて自己増殖し、進化した者。
さらにそのプログラムを解析する首領蜂隊。
出自を特定するパーソナルコードは
あろうことかエレメントドール・エクスイのそれであった…。
大佐は不快感を隠せなかった。
歴史を書き換えるなどありえない。
人類を護るために、いや、我が無敵の軍隊を護るために、
完璧を目指す過程で生まれた排泄物によって作られたヒトガタに
そんな小癪なことはさせはしない。
また、密かにこうも思った。
「過去からやりなおす…。その手があったか。」
緊急出動する首領蜂隊。
次々とジャンプゲートよりエクスイを追って過去に飛ぶ。
だが敵も追撃は想定していた。
ジャンプゲート内より始まる戦闘。
予想以上に激しい戦闘になり、過去に辿り着けたのは母艦1艦と艦載機が数機。
越えた先の時間は、2008年 5月 日本。
戦火を無くす為に、再び戦火が起きる。
蜂の羽音はいまだ止まりはしない。