ホシフリの里の娘レコは森の神アキを倒し、
シンジュが森の維持神となり後を継いでいました。
キンイロの傷もこの地で暮らすうちに癒え、レコも心を取り戻しましたが、
ここ最近何か胸騒ぎがするようです。
そんな中、レコはいつものようにシンジュが森を散歩中に一人の少年に出会いました。
そこには少年が大きな動物を連れて倒れていたのです。
「ねぇ、大丈夫」少年の顔を覗き込むレコ。
目を覚まし、少年もレコの顔を見つめました
「ここは・・何処?」少年はレコに問いかけました。
「ここはね、シンジュが森って言うの、でもニンゲンは入れないはずなんだけどなぁ。」
「わたしはレコ、この森を守護する神さまなんだよ。」
レコがそう言うと少年は驚き、堰を切ったように話し始めました。
水晶の海の奥にあるという【うたかたの里】に行かねばならない。
そこが少年の故郷で甲獣に襲われて大変な事になっていると・・・。
そう言い放った少年の名前はパルム。
パルム 「君が本当に神様ならその企みを止めることができるはずなんだ。」
レコ 「それってわたしに協力して欲しいってこと?」
パルムはコクンと頷く。
レコ 「う〜ん困ったなぁ、この森を留守にしたら迷惑がかかりそうだし・・
困っている人を見過ごす訳にもいかないしな・・」
レコは悩んだ末に決断しました。
「よしっ!決めたっ、わたしの力が役立つのなら協力するよ。
アキだって許してくれるよね、きっと。」
レコ 「ところで後ろの大きな子は?」
パルム 「あぁ、僕の友達の恐獣ハイローだよ、僕をここまで運んでくれたんだ。」
レコ 「そうなんだ、よろしくね!ハイロー。」
パルム 「じゃぁ行ってくれるんだね、その、かっ、かみ・・。」
レコ 「レコでいいよ!パルムっ。」
パルム 「えっ、えっと、じゃぁレコちゃんで、エヘ。」
こうしてレコとパルムはシンジュが森を後にし、旅に出るのでした。
しかし神様不在のシンジュが森が、この後大変なことになるのを
今のレコには知る術もなかったのです。